「英語力と人脈、自立心、判断力を身につけてほしい」

見方を変えれば、富裕層はアイビーリーグやオックスブリッジに価値を見出す以上に、中高生時代に有名ボーディングスクールで過ごすことに価値を見出しているのかもしれません。

子供を後継ぎに考えている企業経営者の方などは「大学はどこでもいい。英語力と人脈、自立心、判断力を身につけてほしい」と明言する方が少なくありません。あるお医者さんは「医師にならなくてもいい。日本にはない、いろいろな選択肢があることを知り、体験してきてほしい」と打ち明けてくれました。

実際、ボーディングスクールではさまざまな選択肢が提供されます。授業は詰め込みではなく考えさせ、議論させる教育。放課後の部活も一年中同じスポーツや芸術に取り組むのではなく、季節や学期ごとに、新たな分野にチャレンジ可能です。

もちろん、ボーディングスクールはお金がかかります。年間600万円から1000万円は必要です。しかし、ホームステイに比べ部屋や食事、環境など一定以上のケアが行き届いています。週末も寮が提供するアクティビティーが多彩で、遠足やスポーツの試合に参加したりと、充実した時間を過ごせます。安心して子供を預けられるのです。

さまざまな選択肢が提供され、経験し、その先に自然とゴールが見えてくる。しかも英語力という武器も身につく――そこが、海外留学が富裕層に支持されている最大のポイントです。

早期の海外留学で、さまざまな選択肢を経験できる

河村 尚(かわむら・なお)
アルク留学センターシニアマネージャー
国内の大学を卒業後、旅行会社勤務、カナダ留学を経て2008年よりアルク勤務。海外留学を志す多くの小中高生のカウンセリングを担当。
 
(構成=小澤啓司 撮影=石橋素幸)
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