(2)ブランドや品目を合理化する

こうした分析によって大多数の「複雑な」企業が、売り上げや粗利益にほとんど貢献しないブランドや品目を多く抱えていることに気づくだろう。

アメリカのあるコンピュータ・メーカーが行った詳しい分析によると、同社のマネジャーたちに、自社の少量製品の多くは顧客数をわずかしか拡大せず、絶対売上額も粗利益も低く、なおかつ複雑さを大幅に高めていることを示した。実際、彼らは、自社が資産の20%を取るに足らないブランドや製品をサポートするために使っていることに気づいた。このコンピュータ・メーカーは、適切なブランドや品目に的を絞ることで、売上高や販売量をほとんど落とさずにかなりの生産能力を解放することができた。

これは完全に業務主導の取り組みというわけではなかった。顧客の視点が最重視されたからだ。同社は、心理学や経済学の調査ツールや検査ツールを使った精緻な調査によって幅広い顧客の視点を取り入れ、自社のさまざまなブランドや品目の需要を予測し、顧客がどのようにして、なぜその製品を選ぶのかを突き止めた。このデータを基に、マネジャーたちは自社の選択肢を広い視野でとらえて、生産量の変化と価格やシステム全体の経費とのトレードオフを比較検討することができた。