京都大の合格者の内訳が変化している

近畿地方では、07年の国公立大医学部医学科への合格者数は893人だったが、17年には1127人になり234人(26.2%)も増えた。

高校別で見ても、トップの洛南は07年に京都大学合格者は98人だった。京都大学合格者から医学部を除いた合格者<以下(1)>は92人。京都大学医学部を含んだ国公立大医学部合格者<以下(2)>は43人で、京都大学合格者が国公立大医学部の倍以上だった。それが17年には(1)が55人、(2)が81人になり、国公立大医学部合格者のほうがはるかに多くなった。(1)+(2)の合計は、07年は135人、17年は136人とほぼ変わらない。合格者の内訳が変わってきているのだ。

この傾向は中高一貫校で顕著だ。2位の東大寺学園も07年には(1)が67人、(2)が45人だったのが、17年には(1)が58人、(2)が54人と接近してきている。しかも(1)+(2)の合計はともに112人で変わらない。同様に4位の甲陽学院も07年には(1)が61人、(2)が45人だったのが、17年には(1)が44人、(2)が54人で、京都大学より国公立大医学部合格者のほうが多くなった。6位の洛星は07年には(1)が62人、(2)が50人だったのが、17年には(1)が42人、(2)が42人と同数になっている。

上位の私立中高一貫校では理系クラスが増えている。それは理系というより医系というほど医学部人気が高いからだ。中学や高校の受験では私立校が「医学部進学コース」を設けて生徒募集するところも増えている。

医師は高収入で、社会的な評価も高い。さらに地域医療に従事する条件で、地域枠で募集する国公立大が増えている。これは一般入試よりハードルが低く人気だ。

私立中高一貫校では医学部を目指す受験生が増えているが、公立校はそれほどでもない。2位の膳所は07年には(1)が46人、(2)が11人、それが17年には(1)が65人、(2)が22人で、どちらの合格者も増えている。しかも京都大学合格者のほうがまだまだ多い。4位の北野も同じ傾向だ。07年には(1)が40人、(2)が11人だったのが、17年には(1)が63人、(2)が24人で、まだまだ京都大学合格者のほうが多い。

このように私立校で京都大学合格者が減り、公立校で増えている。地元の塾関係者は「やがて公立高が京都大学トップになる可能性が高いのではないでしょうか。特に大阪で進学に力を入れる進学指導特色校10校のうち、人気が集中する北野は今後、もっと京都大学合格者が増えていくと思われます」という。北野は現在4位だが、トップになれば、1984年以来ということになる。

こうした傾向は京都大学の「人気凋落」といえるものなのだろうか。2018年入試の動向に注目が集まる。