「ロゴ入り」の服が、また売れるようになった
――メインストリームをやろうという意識はない?
【藤原】ないですね。メインストリームをうまく利用して、違うものを作りたい。
――では世の中が「SNSの時代」と言えば言うほど、藤原さんにとってはチャンスを感じると。
【藤原】もちろん、主流は認めたうえで、ですけどね。メインストリームが盛り上がってくれたほうが、僕らはちっちゃいことがやりやすくなるし、カウンターを当てやすくなる。
――つい数年前まで、ミニマリストみたいなものがはやって、「ロゴを前面に出した服は消える」とまで言われていたのに、トレンドが一気に変わりましたね。
【清永】世界的に見ても、ロゴがドンと入っているものが売れている時代ですし、店頭にロゴを大きく出しているブランドも多い。象徴的なブランドでバレンシアガなんか行くと、お店のカーペットもロゴですから。
【藤原】僕としては、そこは今戦いですよ。あるブランドとやっているんですけど、向こうはロゴやグラフィックをもっと付けろと言う。でも僕は付けたくない。そのせめぎ合いをちょうどしているところです。
ストリートがSNSに取って代わられた?
――お二人の背景には「裏原宿」のカルチャーがありますが、最近は「ストリートがSNSに取って代わられた」と聞くことがあります。ストリートファッションが相対的に弱くなっているようにも感じますが、その点はどう受け止めていますか?
【藤原】ストリートがSNSに取って代わられた、という話は個人的にはよくわからないけど、こういうことかなと思います。僕らが新しいファッションに接するのは、実際にブランドのイベントやショーに行ったりしたときですけど、今は一般の人も同じものをSNSで見ているんですよね。
――お二人が現場で見ているものと同じものをSNSを介して見られる時代になったと。
【藤原】昔はそれを知る手段が雑誌しかなかったから、ショーで発表してから一般の人々が知るようになるまで2カ月のタイムラグがあったけど、今はなくなった。それが「ストリートがSNSに取って代わられた」ということじゃないかな。