「なぜ私だけ仕事が多いのですか」は逆効果

「手段の許容度」が低い場合には、「1つだけ条件があります」などと切り出して、許容度を高める提案をしてほしい。部下から提案がなければ、上司は数字を押し付けるだけで楽ができる。こちらからオプションを提示して、相手に可否を選ばせる。これはあらゆる営業現場で有効なテクニックでもある。

なかには明確な意図があるわけでなく、結果的に高いノルマを設定せざるをえなくなった、というケースもある。たとえば部署に7つの仕事があって、部下が3人しかいなければ、上司は2対2対3の比率で仕事を配分するしかない。仕事の配分に不合理はつきものだ。

その点について「なぜ私だけ仕事が多いのですか」などと「合理的な説明」を要求されても、上司は困ってしまう。上司だって悩んでいるのだから、一緒に解決策を探ったほうがいい。オプションを提示するというのは、「上司と一緒になって考える」ということなのだ。

頼りになる上司は「スタッフを増やしてくれ」という要望に対し、「社員は増やせないが、外部委託なら手配できそうだ」といった解決策を用意できる。一方で、「とにかくやれ」という上司は自分の都合を押し付けているだけで、出世の見込みも薄い。付き合い方を考え直したほうがいいだろう。

▼「プロセス」と「結果」のどちらに重きがあるのか探る

高城幸司
人事コンサルタント。1964年生まれ。86年同志社大学文学部卒業、リクルート入社。2005年独立。セレブレイン代表。『社内政治の教科書』など著書多数。
 
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(構成=山田清機)