何が勝ち組と負け組を分けるのか。雑誌「プレジデント」(2017年3月6日号)の特集「『働き方』全課題60」では、「超一流の仕事術 全解明」として、より成果を上げるためのノウハウを各方面のエキスパートに取材。今回は、ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ ディレクターの榊巻亮氏が「成功する会議」について解説する――。

全員が「終われる」と答えられればOK

なぜ会議が「グダグダ」になってしまうのか。それは「会議が終わったときにどのような状態をつくるべきか」という「会議の終了条件」を決めないまま、会議を開いているからです。会議にはいろいろな種類があります。「意思決定」であれば適正人数は10人以下でしょう。「方向性の共有」であれば、30人以上に対して一方的に話すこともあるはずです。どちらも会議と呼ばれますし、私はそれでいいと思います。

会議に参加する人数や時間の長さを機械的に決めるのは、スマートではありません。「発言しない参加者は呼ぶな」などと言われることもありますが、そもそも大人数の会議では参加者全員に発言を求めることはできません。大勢を集める会議にも、最初は目的があったはず。グダグダになるのは、目的を見失っているから。私はそれを「会議の終了条件」と呼んでいます。

たとえばサッカーでは「終了時間までに相手より1点でも多く点を取る」という終了条件が決められています。これが「ボールを蹴る」という動作しか指示されていなければ試合は成り立ちません。グダグダになる会議では同じことが起きています。「議論する」「質問する」という動作しか指示がないので、どれだけ活発でも、終わった後には「結局、何の会議だったんだっけ」と感じるわけです。

終了条件を達成できたかどうかは簡単にわかります。参加者に「これで会議を終われますか」と聞いて、全員が「終われる」と答えられればOKです。