健全に疑うときに注目するポイント
自分自身も含め、人は誰しも間違いを起こすということを前提に仕事をしなければなりません。仕事を受けた側には問題がなくても、依頼した側の説明の仕方が悪くてミスにつながる場合もあります。間違いがあったことで振り出しに戻ることがないように、人の調査結果や報告について、健全に疑うようにしましょう。
この「健全に疑う」というのは、一般的には「クリティカル・シンキング」と呼ばれるものです。直訳では「批判的思考」となり、ちょっとネガティブなイメージになってしまいますが、大切な思考プロセスです。
健全に疑うときに注目するポイントは、次の2つです。
(1)インプットデータとアプローチを確認する
(2)数字は「絶対数」だけでとらえない
(2)数字は「絶対数」だけでとらえない
(1)インプットデータとアプローチの確認
インプットデータとアプローチが合っていれば、結果が大きく間違っていることはありません。そして、そのアウトプットに対しての、その人自身の評価を聞いておけば、それで正しさの確度が上がります。
たとえば、「この化粧水は冬以外は売れません。夏場に投入するのはやめたほうがいい」とメンバーが報告を出してきたとき、次の点について確認するのです。
・「冬以外は売れない」というデータはどこから持ってきたのか?
・「やめたほうがよい」という提案をどう評価しているのか?
(2)数字は「絶対数」だけでとらえない
・子どもの熱が39℃から2℃下がって37℃になった。
・100度のお湯が2℃下がって98℃になった。
これらは同じ「2℃」ですが、重みはどうでしょうか?