人間より正確で万能だとはいえない
さらに、提案を受けた後、口座を開いて実際に商品を購入し、運用やリバランスをロボットに任せることもできる。つまり、ロボットと一任契約を結ぶということだ。最低投資額は、たとえば、「マネラップ(マネックス証券)」なら1000円から、「楽ラップ(楽天)」は10万円からと、少額から始められるところが多い。
もうひとつ、手数料が安いことも大きなメリット。一般的な投資信託の手数料が2~3%であるのに対して、ロボアド投資では1%前後が主流(銘柄によっては、ほかに経費などがかかる場合もある)。従来、銀行や証券会社のファンドマネジャーが行っていた作業をロボット(コンピュータプログラム)が代わりに行うため、人件費を安く抑えられるというわけだ。
基本的にすべて「お任せ」のロボアド投資。初心者や、忙しいビジネスパーソンにとっては魅力的なサービスだといえる。スマホで簡単に始められるので、20~30代にも受け入れられやすいだろう。
しかし注意したいのが、コンピュータだからといって人間より正確で万能だとはいえないこと。ロボットアドバイザーは、あくまで、過去のデータからリスクやリターンを計算して、最適だと思われる銘柄を組み合わせているだけ。現時点では、「トランプ政権に代わる」「イギリスがEUから離脱する」といった予想外の出来事が起こった際に、景気の変動を予測して、リスクがある運用を避けることはできない。
ロボットが「絶対失敗しない」わけではない。過度な期待は禁物だ。利用する際には、メリットとデメリットをよく検討したい。
(構成=鈴木俊之)