いいアウトプットをするために「2次会」は遠慮する

もっとも「アイデア発想力は物理的な移動距離に比例する」という考え方もあり、私もこれに賛同します。遠くへ行くと新しいものに出合うことも多く、違った角度からものも見えるので、気づきが多いということでしょう。私の場合も、現地でいい案が浮かぶことは少なくありません。

アイデアや執筆などアウトプットに適した時間は人それぞれですが、私の場合、「よく寝た日の翌朝」もそれに該当します。とりわけ書籍のアイデアが浮かぶのは、ほとんどの場合、休日の朝です。ぐっすり寝た朝に、ぱっと浮かぶのです。

その時はすぐに布団から出て、勉強部屋に行って浮かんだアイデアをパソコンで書きます。目次案もほぼ同時に浮かびます。そして、もう一度寝ることもありますが、その時は必ず、メモ帳とペンを枕元に置いておきます。もう、目は覚めているのですが、布団の中で横たわり、リラックスしている間に浮かんでくるアイデアを書き留めるのです。そうしないとすぐ忘れてしまいますからね。

休日に限りませんが、起床してからの数時間を私は「スターの時間」と呼んでいます。朝は脳が活発に働くといわれていますが、実際、その通り。だから、その貴重な時間を無駄にしないように、気をつけていることがあります。それは「夜ふかしをしないこと」です。

就寝は22時半。仕事関連の会食はほぼ毎晩ありますが、出席するのは1次会のみで、2次会はご遠慮しています。会食は夜8時過ぎには切り上げ、帰宅します。就寝時間が遅くなることで、朝のスター時間を台なしにしたくないのです。そうした習慣を守り通すことが質の高いアウトプットを維持するコツだと考えています。

▼いいアイデアを得るために、自分を煮詰める

いいアウトプットには「煮詰める時間」も必要です。以前、次のようなことがありました。ある会社のコンサルティングを頼まれた時のことでした。パフォーマンスを格段に向上させることを手伝ってほしいと、ある地方のオーナー経営者に頼まれたのです。

当時、数百億円を売り上げて、数十億円の利益が出る、中堅のオーナー企業としては問題ない会社だったのですが、戦略上、生き残りのためにどうしても5年ほどで売上高を約3倍に、利益を約5倍にしたい、ということでした。