ドライな人間関係を子どもにも習得させよ

小中学生は「学校はとにかく大事」「クラスメイトとは仲良くしなくてはならない」といった価値観を植え付けられ、集団生活に耐えることを強いられる。そのため、理不尽ないじめに遭ったとしても、まずは我慢することを選択しがちだ。そして、「一生、このクソみたいな人間関係が続くのだろうか……」といった不安や絶望感を抱え込んでいく。小中学生にとっては、狭い学校が世界のすべて。その腐った世界が、未来永劫続くとすら感じているかもしれない。

だが、高校や大学に行くと、世界は大きく広がっていく。社会人になれば、さらに世界は広がる。小中学校時代の愚にも付かないような連中とは完全に縁を切ることができる。そして、もう二度と会うこともなければ、思い出すこともなくなる。

居場所は学校以外にいくらでも見つかるし、気持ちよく付き合える人もたくさん存在している。その事実を小中学校のうちから子どもたちに教え、性に合わない相手とはお茶を濁す程度の人間関係でやり過ごす術を身につけさせればいい。われわれ大人たちが、日々していることだ。名刺交換をしただけで、すぐには顔も思い出せないような無数の人々と、ドライな人間関係を構築して、やり過ごす。それでいいではないか。

そもそも、自分の人生において本当に重要な人なんて、数える程度しかいないもの。それさえ大切にしていれば、十分幸せになれる。

【まとめ】今回の「俺がもっとも言いたいこと」
・子どもには、きれいごとではなく、人間関係の現実を教えるべきだ。
・小中学校の交友関係など、長い人生においては大して重要ではない。いじめてきた相手は容赦なく反撃してもいいし、学校から逃げてもいい。
・居場所はいまいる場所以外にいくらでも見つかるし、本当に大切な人だけ大切にすれば、きっと幸せになれる
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973年東京都生まれ。ネットニュース編集者/PRプランナー。1997年一橋大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ではCC局(現PR戦略局)に配属され、企業のPR業務に携わる。2001年に退社後、雑誌ライター、「TVブロス」編集者などを経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『バカざんまい』など多数。
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