毎日は小池氏に是々非々だったが……

毎日新聞の社説は、これまで小池氏や「希望の党」には是々非々のスタンスをとってきたが、それでも10月4日付の社説は「日本の岐路 希望が公認発表 ダイナミズムがそがれた」と手厳しく批判する。

前半で「この1週間、政界やメディアは小池百合子東京都知事の一挙手一投足に注目し続けたが、希望の党のイメージは出発時点とは大きく変わった」と書いた後、小池氏が選別に至る経緯を分かりやすく解説する。

「民進党の前原誠司代表は、公認予定者をまるごと希望に合流させるつもりだった。『安倍1強』の閉塞感を打破するために『名を捨てて実を取る』戦略だった」 
「しかし、保守を信条とする小池氏は合流の条件として憲法改正や安全保障法制への同意を個別に求めた。そこで、同意できない左派系が『立憲民主党』を結成した」 

ここまで書いた後、小池氏の選別に一応の理解を示す。

「衆院選が政権選択である以上、基本政策の一致を求める小池氏の姿勢は理解できる。政党が政策を結集軸にすべきことは言うまでもない」

小池氏に「寛容」を期待するのが間違い

しかし、次に毎日社説は「問題はその進め方だ」と指摘し、「党内では、安倍政権への対抗軸作りよりも候補の選別が先行した。公認権を独占する党首が公然と『排除の論理』を振りかざしたことで、党の理念として掲げられた『寛容』や『多様性』がかすんでしまった」と批判する。 

この毎日社説の批判にあえて言わせてもらえば、希望の党に真の「寛容」や「多様性」があったとはとても思えないし、小池氏という女性にこれらを期待するほうが間違っていると、この沙鴎一歩は思う。どうだろうか。

選挙結果を見てみないと分からない

さらに毎日社説は「選別基準として『在日外国人への地方参政権付与に反対すること』が持ち出されたのも唐突だった。議論もなく、小池氏の個人的なイデオロギーが出てきたように思われた」 

小池氏が日本初の女性首相になりたくて、自ら名乗りを上げて立ち上げたのが希望の党である。当然、小池イデオロギーが出てくのは当然だ。問題はそれをどこまで有権者が受け入れるかだろう。

続けて毎日社説は「さらに小池氏の側近が候補者の規模や選挙後の戦略を口にしても、直後に小池氏が否定する展開が繰り返され、すべてが小池氏の胸三寸で決まってしまう印象を与えた」と「胸先三寸」という表現まで駆使して小池氏を非難する。