なぜアメリカのホワイトカラーは立って仕事する?
こうした中、ビジネスパーソンは、自身の能力、それもAIやロボットにとって代わられない技量を上げるしかありません。そのためには、ふたつのことが必要です。今の仕事も含めて、普段から「一歩踏み込む」ことを行い、なにごとにも深堀りすることです。これは、ロボット化うんぬんの前に、他の人より評価されるということです。評価される人が、より生き残れることはいうまでもありません。
もうひとつは、AIなどの動きをよく見ておくことです。本やネット、新聞にはAIやロボット化の記事が山ほど出ていますが、その動きや本質をとらえ、自分の仕事にどう影響するか、さらにはどう役立てるかを考えるのです。AIに使われる人の仕事はそのうちなくなり、AIを使う側の仕事は増えると思います。
▼「AIを使える人」「AIを活用できる企業」が生き残る
企業経営者も同様で、AIやロボットをどう活用するかを考えることが大切です。さらには、これは従来と同じですが、商品やサービスでこれまで以上に差別化し、パイを増やす努力をしなければ、生産性は上がっても雇用削減ということに陥ってしまいます。日本中がそうなれば、働き口のない人があふれることになります。働く人の雇用を維持することは、企業経営者にとって大きな役割であることは言うまでもありません。
ちなみに、私が訪れたオハイオの工場では、ホワイトカラーの人たちが机に向かって立って事務をこなしていました。いま米国では、健康のために数時間座った後は、数時間立って仕事をするのが流行しているそうです。こちらは「ホワイトカラーエクゼンプション」に関して、自身で生産性の向上を行っているということかもしれません。