地球環境問題は現代社会の主要な課題だが、全体を把握するのは容易ではない。さまざまな現象が複雑に絡み合うため、何が基礎事項なのか見当がつかないことも多い。本書は地球を太陽系の一惑星という視点で捉え、その全体像を「地球惑星科学」という新しい枠組みで説明した本である。
既存の専門分野にとらわれず地球全体を一つのシステムとして見る本書は、5つの章で構成される。第1章「太陽系のなかの地球」では、エネルギー逸散や物質循環など地球を理解するための基本概念を提示する。たとえば、大気中の「二酸化炭素は雨に溶け込んで地表に降り、大地を風化・侵食する。その結果、海の中に大陸の物質が大量に流れ込み、海の元素組成に影響する」(14ページ)。長い時間には大気と海は平衡状態にあり、いずれも大陸との物質循環に組み込まれているのだ。
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