本書は、ウォール・ストリート・ジャーナルの敏腕記者がリーマンショック前から欧米を中心に水面下で起きていた「大恐慌以来、最も深刻」(IMF)な危機がなぜ勃発し、なぜ事前に防げなかったのかに関し、豊富な取材を交えながら分析を試みている。グローバル化が深化し、今や運命共同体となった世界経済の船長だと多くの人が信じていた米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、いかに時代錯誤な海図(もちろんFRBは最も優れた海図と思っている)を頼りに航海していたかがわかり、改めて愕然とする。
例えば、「中央銀行は資産価格の上昇をめざすべきだ」(88ページ)というグリーンスパンの基本的な考え方からすれば、今回の大パニックはバブルをあえて止めなかった結果起きた人災だとはっきりする。バーナンキも同様に、FRBは信用バブルを制御できないと考えている(378ページ)。米国の権威の失墜は、政治・軍事面だけではない。
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