優れた競争戦略は、論理的に無理のない、筋のいいストーリーとして語られなければならない。これが本書の主張である。500ページのボリュームだが、本自体の物語性が高く、一気に読めた。

まずは軽いジャブとして、「あなた方の多くが戦略だと思っているものは、実は違いますよ」といった、やや挑発的な言辞から入る。構成要素を吟味しただけの「アクションリスト」は違いますよ。成功事例の最も目立つ部分から教訓を引き出そうとする「ベストプラクティス」も違いますよ。SWOT分析などに代表される「テンプレート」も……。うーん、耳が痛い。