初めて新聞のコラムを担当したとき、担当者から再三注意を受けた。

「もっと言い切っちゃってください」。論文の場合、査読者から突っ込まれないことが重要なので、つい逃げ道を用意してしまう。両論併記や曖昧な書き方が習い性になっていたので、それじゃマスメディアでは通じませんよ、と指摘されたのだ。

物事を言い切ることにはリスクが伴うが、その明快さがときに生き生きと人の心を捉える。各業界で長く生き続けてきた、シンプルな定説・セオリーを紹介しているのが本書である。名言・格言とは違って、大向こうをうならすような表現は少ないが、その分リアリズムを感じた。