1996年の第一次結党から13年を経て政権を握った民主党は、いま政権担当可能な政党として生き残ることができるかどうかの瀬戸際に立たされている。

「ポスト菅」を選ぶ代表選は、民主党にとって自ら存亡の道を選択できる最後のチャンスかもしれない。もし判断を誤り、政権政党として再生に失敗すれば、次にどんな展開が待っているのか。川端は「悪魔のささやき」を懸念する。

「2年前に歴史的転換が起こったけど、期待した民主党は駄目だった。だが、自民党にも戻したくない。国民は政治に対して、なんだこいつら、ということになり、不信と怒りと絶望に変わる。歴史が物語っているのは、ここで台頭するのがファシズム。自民党政権、政権交代、その次に大連立に。だが、次から次へとつくってもうまくいかない、政党がろくなことをしないというとき、隙間にひゅっとカリスマ性のある人間が出てくる。その意味ではここが踏ん張りどころです。よほど知恵を使って、政治がきちんと機能し始めたということにしなければ」

政治の機能再生を担う政治家だけでなく、いま試されているのは、国民の政治選択の能力と日本の民主主義の成熟度である。

※すべて雑誌掲載当時

新党改革代表 舛添要一
1948年、福岡県生まれ。71年、東京大学法学部政治学科卒。79年、東京大学教養学部政治学助教授。2001年、参議院議員。07年、厚生労働大臣。10年、自民党を離党し、現職。

衆議院議員 樽床伸二
1959年、島根県生まれ。82年、大阪大学経済学部卒、松下政経塾入塾。93年、衆議院議員(日本新党)。2010年、民主党代表戦出馬。現在、衆議院国家基本政策委員長。

衆議院議員 小沢鋭二
1954年、山梨県生まれ。78年、東京大学法学部卒業。93年、衆議院議員(日本新党)。96年、民主党。2009年、環境大臣。10年、衆議院常任委員会環境委員長。

衆議院議員 長島昭久
1962年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。90年、石原伸晃衆議院議員公設秘書。92年、大前研一氏の「平成維新の会」参画。2003年、衆議院議員。09年、防衛政務官。

(原 貴彦、小原孝博、小倉和徳、岡本 凛=撮影)