浦田氏によれば、副業は時間を提供する「労働分配型」、自ら行う「オーナー自立型」、物件や商品に稼がせる「不労・保険型」に分けることができる。
「労働分配型の場合、月額5万円モデルは時給1000円、10万円は同2000円、20万円は同4000円が基本です。副業の内容や回数で月額は変わります」。いくつかの職種を紹介しよう。
20代や30代であれば、やりやすいのが飲食店の接客の仕事だ。一人暮らしなら、無料で「まかない」がつく店を選べば食事代も浮く。1食800円としても積み重ねれば大きい。
「引っ越し作業員」は、体力に自信のある男性向きの職種だ。ただし春は引っ越しシーズンだが真夏は閑散期となる。引っ越し相手からの「チップ」は、「景気のいい時代は5000円もらうことも多かった」(経験者)そうだが、現在は少なく、金額も1000円が一般的だという。
狙い目はクラブの送迎運転手?
意外に狙い目なのが、ナイトクラブの送迎運転手だ。「大都市の繁華街か地方都市かで相場は変わりますが、日払いで支払う店もあるので運転好きな人には向くでしょう」。派遣会社に登録して店に派遣される方法もあれば、店と専属契約を結ぶ方法もある。もちろん後者のほうが確実で実入りも安定する。「副業であっても、営業力が大切なのは本業と同じです」。
小売店や古書店で商品を仕入れてネットで売る「せどり」は、仕入れ価格と販売価格の利ざやで稼ぐものだ。
「私もやっていますが、仕入れた商品は売れるまで部屋で保管するので、置き場所の確保が大変です」と浦田氏。
昨年、筆者が取材した例では、南北に長い日本列島の季節の差を利用して稼ぐ人もいた。たとえば首都圏の店では、3月になると暖房器具の価格が安くなる。それを仕入れて、北海道や東北など寒い地方に住む人に販売するといった手法だ。せどりについては指南書やネット情報も多数出ており、興味があれば検討したい。
話題の「民泊」に対しては消極派の浦田氏。「たとえば仲介会社のAirbnbを利用する場合は、ネットに英語でPR文を書き込んだり、英語の利用マニュアルを整えなければなりません。管理費も賃料の30%と一般の賃貸住宅に比べて割高です。インバウンドの外国人を泊める際は、ゴミ出しの方法や大声で騒がないなど、地域のルールを理解してもらう必要もある。それよりも好立地に自宅があり、空き部屋があるのなら、ルームシェアに貸し出すほうが確実です」と話し、こう続ける。
「たとえば東京・世田谷区なら、家賃7万円の1Kではなく、15万円の3LDKに住み、2つの部屋を各5万円で貸す。そうすれば、自分は家賃5万円で住むことができ、管理費も賃料の5%程度です。私の知人夫婦は女性数人に貸して、頻繁にパーティーを開催して楽しんでいます。総じて女性のほうが部屋も綺麗に使ってくれます」
民泊は今国会で、条件付きで解禁する法案が提出されるなど、法律の整備も流動的だ。先々を考えて判断したい。
なお表からは外したが、質問に答えて薄謝や買い物ポイントがもらえるアンケート調査も多い。空き時間でできるが、「月に1万円程度でお小遣いの足しレベル」だという。