10万円のコースになると、技術を生かした副業が多くなる。5万円コースで紹介したカラオケ講師も、オーナー自立型となり、生徒を集めて「歌唱指導」を行えば収入も増えて安定する。浦田氏は「長期的に顧客を獲得するには自宅で行い、信用を高めるのがいい」と話す。カラオケ講師だと騒音問題を考えれば、カラオケボックスで行う手もある。「大都市圏では格安カラオケボックスも増えています。1時間数百円で借りられる店もあるので、上手に使うといいと思います」。
プログラミング専門学校で技術習得
また、スポーツトレーナーも組織に所属する場合と個人レッスンで行う場合は待遇や勤務条件が変わる。「所属して働く場合は、時給1000~1500円、個人レッスンで同3000円が目安ですが、民間よりも公共施設のほうがレッスン料も安い。ゴルフが得意ならゴルフレッスンもある。いずれも教室を主宰して生徒を集める『一対多』の方式にすれば収入も上がります」。中小企業診断士や税理士といった「士業」も営業力が求められる。
ITスキルに自信のある人には、ホームページ作成やアプリ開発などがいい。それを担うプログラミング技術の習得には専門学校もある。需要は増えており、専門学校で技術を学び、副業にする会社員や主婦も多い。以前の取材で「個人イベント向けの特別サイトのデザイン受注は1週間で3件、合わせて約23万円の売り上げになった」(20代男性)という話も聞いた。この男性は、前職の会社員時代は土日をプログラミングの仕事に充てたという。ただし競合が多いと「相見積もり」で価格を抑えられる可能性もある。
理系出身の浦田氏は、証券会社に勤務していた時代に「バーチャル学習室」のCD‐ROMを企画・制作して大手出版社名義で販売したこともある。
「最終的には権利を含めて3000万円で出版社に買い取ってもらいました」。企画力や対外交渉力がある人なら、事業展開も夢ではない。なお、経済産業省の調べでは、IT技術者は現在約17万人不足しており、不足幅は年々拡大。2020年には約37万人に達する見込みだという。
これらの職種は在宅でも行えるので、自分ではなく妻(夫)が行う場合もあるだろう。「既婚者は、世帯年収で考える視点も大切です。配偶者が行う場合も、『○○開発室』などの屋号をつけた個人事業にして、真剣に取り組むほうがよい。パートで働く主婦と同レベルの収入でも、個人事業主となり確定申告すれば、経費面で大きな恩恵が受けられます」。
治療も兼ねた治験モニターとは?
ユニークなのが「治験モニター」だ。これは医薬品の新薬開発の最終段階である臨床試験の被験者になるもので、有償で募集しているケースが多い。
「たとえば、毎日就寝中にトイレに起きる“頻尿”症状の人は、『過活動膀胱』の治験モニターに応募する手もある。多くは事前検診を受けて参加可能かどうかが判断されますが、モニターになれば症状が改善するまで提携医療機関が無料でサポートすることも多い。何日も治験を行うモニター募集もあり、その場合は報酬も多額になる。私の身内は、5日間入院で18万6000円もらったこともあります」。
いわば“人体実験”だが、何かの症状で医者に通って診断・投薬を受けると、1回数千円程度の支出になることを考えれば魅力的に思える。ダイエットなど美容系もあるので、興味のある人はネットで検索し、相手先が信頼できる業者かも調べておきたい。