日本の「幸福度」は世界順位で53番目

あらためて「幸せの4つの因子」を見渡すと、いかに幸福にとって「お金」が一部の要素にすぎないかがわかると思います。「収入が増えれば、幸せになれるはずだ」と仕事ばかりに目を血走らせるのは、遠回りの愚行です。4つの因子を念頭において行動すれば、より効率的に幸せになれるはずです。

経済的な繁栄が幸福と連動しないことは、国連が今年3月に発表した「世界幸福度報告書」でも証明されています。日本は世界の実質GDP(国内総生産)ランキングでは、アメリカ、中国に次ぐ第3位ですが、幸福度ランキングでは53位でした。

幸福度ランキングの第1位はデンマーク、2位はスイス、3位はアイスランドで、アメリカは13位、イギリスは23位、フランスは32位、イタリアは50位で、日本はその下でした。

また内閣府の「幸福度に関する研究会」の報告によると、日本人の1人当たり実質GDPは1960年代から増え続け、この50年で六倍になりましたが、「生活満足度」はほとんど変わっていないのです(図6)。内閣府が調査している「生活満足度」は、幸福度そのものではありませんが、ひとつの指標として大いに参考となる結果です。