日本のワースト3は群馬、福島、新潟

年齢や地域、家族構成や性別などの属性によっても幸福の感じ方は違います。たとえば年齢。実は人間は年を取れば取るほど、自然に幸せを感じやすくなるようにできています。

図7を見てください。これは、ディーナーがまとめた「感情」と「人生の満足度」に関する世代別の結果ですが、年を取れば取るほどネガティブな感情は減退し、満足度は上がっています。また、図8を見ると、多忙で子どもの出費などに苦しむ40代では人生の満足度が一旦下がるものの、60代以降は概ねどのような状況の人でも満足度が上がることがわかっています。「年寄りは卑屈で不機嫌」というイメージは、大きな誤解だといえます。

これは加齢によって脳の働きが変化し、細かいことを考えるための脳の神経回路が衰えて、全体的なことしか考えなくなるからだとみられています。これはネガティブなことではなく、むしろ「脳の全体関係化」「第3因子(前向きと楽観の因子)の獲得」とでもいうべきことだと思います。

加齢による「人生の下り坂」はネガティブイメージですが、むしろ上りのような苦しさはなく、ゆっくりと見晴らしを楽しみながら歩いていけます。人は、年を取るほどに幸福度が上がっていく存在なのです。