遺言で保険金受取人は変更できるか

ところで、「生命保険金の受取人を○○に変更する」とする遺言は有効だろうか。これについては、これまで法律上の定めがなく、保険会社によって個別の対応を行ってきた。しかし、2010年4月に施行された「保険法」によって、「遺言による保険金受取人の変更ができること」が明文化された。

この場合であっても、遺言を発見し、遺言の中に保険金受取人変更の記載があった場合は、すぐに、保険会社にその旨を通知しなければならない。万が一、通知がないまま、保険会社から保険契約上の受取人に保険金が支払われてしまうと、遺言で指定された受取人は、保険金を受け取ることができなくなる。

遺言で受取人変更が可能になったといっても、受取人の変更を希望する場合は、遺言ではなく、やはり保険契約上の変更手続きを生前に行っておきたい。遺言による受取人変更は手続きが複雑になるほか、保険契約上の受取人と遺言で指定された受取人が異なる場合、両者の間で法的なトラブルとなる可能性が高いからである。

いずれにしても、生命保険には、ほかの投資対象にはないさまざまな特長がある。生命保険の持っている価値を見極め、例えば、税理士やファイナンシャルプランナーと相談した上で、自分に合った商品を見つけることが、何より大切と言えるだろう。

藤宮 浩
フジ総合グループ(株式会社フジ総合鑑定/フジ相続税理士法人)代表
株式会社フジ総合鑑定 代表取締役
埼玉県出身。1993年、日本大学法学部政治経済学科卒業。95年、宅地建物取引主任者試験合格。2004年、不動産鑑定士試験合格及び登録。12年、フィナンシャルプランナーCFP登録。04年に株式会社フジ総合鑑定代表取締役に就任し、相続不動産に強い不動産鑑定士として、徹底した土地評価を行うことで有名。主な著書に税理士・高原誠との共著である『あなたの相続税は戻ってきます』(現代書林)『日本一前向きな相続対策の本』(現代書林)、不動産鑑定士・小野寺恭孝との共著である『これだけ差が出る 相続税土地評価15事例 基礎編』(クロスメディア・マーケティング)。セミナー講演、各種メディアへの出演、寄稿多数。フジ総合グループ(https://fuji-sogo.com/
 
高原 誠
フジ総合グループ(株式会社フジ総合鑑定/フジ相続税理士法人)副代表
フジ相続税理士法人 代表社員
東京都出身。2005年税理士登録。06年、税理士・吉海正一氏とともにフジ相続税理士法人を設立、同法人代表社員に就任。相続に特化した専門事務所の代表税理士として、年間600件以上の相続税申告・減額・還付業務を取り扱う。セミナー講演、各種メディアへの出演、寄稿多数。