平均利回りは8.15%、貸し倒れゼロ
――ソーシャルレンディングの成長が期待される理由は何ですか。
やはり高い利回りと、低い貸し倒れ発生率です。当社のWeb掲載企業18社の平均利回りは2017年2月時点で8.15%、過去3年間で貸し倒れ発生率は0%という結果が出ています。
もう一つは、日本では既存の金融機関が審査基準などで貸し出せない中小・零細企業の資金ニーズに応えている点があります。ある企業では、旺盛な資金需要に投資資金が追いつかず融資をお断りしている状況にあるそうです。
貸金業者そのものの数は数年前に比べて激減していますが、資金需要は変わらず、信金や信組といえどもその需要の全てをカバーできてはいません。
――ソーシャルレンディングの利回りが高い理由は何ですか。
低コストで運用できることですね。インターネットを活用することで人件費や地代家賃などの販売管理費を抑えることができます。また、既存の金融機関が融資しにくい短期や少額の資金需要に応えることで、財務的に健全でありながら資金調達に苦慮する中小企業に対して、既存の金融機関よりも高い貸出金利を確保しています。その結果、事業者の利益を差し引いても、5~12%と高い投資家利回りを還元することができるのです。
――一方で、ソーシャルレンディングは「何か怪しい」という人も多い。なぜですか。
業界が未成熟なことが挙げられます。多くの会社がこの数年でサービスを開始したベンチャー企業です。世間的な認知度も低く、実践している人の数もまだまだ少ないのが現状です。それに加えて利回りが良すぎることも大きな理由だと思います。実際は各事業者の努力によってパフォーマンスを出しているのですが、新規ユーザーにとっては「ちゃんとお金が返ってくるのか」という不安につながっていることも否めません。