自分をさらけ出すことが結果につながる
あがらないために大切なのは、「下手だ」といった攻撃から身を守るために“防御”などはしないこと。最初からすべてをさらけだして、とって食おうとどうぞご自由に料理してください、くらいに開き直ればいいのだ。松本さん自身も、“英語できないキャラ”として登場した『英語でしゃべらナイト』では、その親しみやすい人柄をふんだんに出して人気を博している。
うまくやろうと体に力を入れるより、自分をリラックスさせればいい結果につながるものだ。具体的には、たとえば手足を伸ばして体を広げるだけで、自信のホルモンが分泌されるという、社会心理学者のエイミー・カドリー氏らの実験もみられる。体を開くだけでも、気分的に解放されるはずだ。
松本さんは、ここでもひとつ大切なことを教えてくれた。
「あがらないために『お客様をカボチャだと思え』みたいな方法だけは、絶対にやめたほうがいいです」
人前に立つときによく言われるのが、この「人が大勢いると思うからあがる。観客はイモやカボチャだと思え」といった言葉。ところが、これでは“物”を相手にして、人の反応を見ないことになってしまう。
それは失礼だからしてはいけないという以上に、自分の話をよりよくするための、こんな理由によるのだという――。