「時短」を追求すると、人事評価ガタ落ち?
3:時短だけを追うと評価が下がる
「心の叫び」と相談しながら、時短化を一歩一歩進めるべきですが、ここでひとつ注意点が。時短は効率化の意味ではメリットですが、評価が下がるというケースがあります。
ある会社の人事部が時短を推し進めた結果、「社内で仕事を断る人が増えた」という声が増え、サービスの質が低下したり、営業成績が下がったりというケースもあったそうです。
だからこそ、私はふだん、時短ではなく「高密度化」というキーワードを提唱しています。高密度化とは、短時間で高集中、高生産性の時間活用をすることです。高密度化するには、仕事の力の入れどころと抜きどころを見極める必要があります。
極端な話、同じ手順と同じスピードで仕事を進めながら、単に時間だけを減らすと仕事の成果は低下します。手順とスピードを変える必要があるのです。その具体的なノウハウは、本連載の過去記事を参照ください(「高密度仕事術(原則)」(http://president.jp/articles/-/15637)、「高密度仕事術(スキル)」(http://president.jp/articles/-/15742)、「最重要の仕事を朝一番に片づける習慣」(http://president.jp/articles/-/16515)
ここまでの論点を整理すると、生産性を高める仕事術には、
●どんないい施策であっても、継続して習慣を変容しなければ変われない。
● 仕事の力の入れどころと抜きどころを見極め時間の投入対象を変える
ことが重要です。
具体的な手法については、上記の参照記事内にも実践のコツを記載しました。
例えば、大切なのは、
● 時間を見える化すること
● 退社時間を制限すること
● 力の入れどころの業務を増やすこと
● 毎週3つの対策を講じていくこと
● きちんと寝て充電すること
などです。時短実現には、習慣化がポイントであるという本質を意識して取り組んでいただければ幸いです。