行動力が3倍になる科学的な方法とは?

何かやることを決めても、「時間がなかった」「忘れていた」「忙しくて」、結局実践できないことはよくあります。目標・計画倒れ、3日坊主、後回し……。どなたにも心当たりがあるはずです。

行動力を高めたい!

そう切に願うビジネスパーソンは多いでしょう。さまざまな対策がありますが、今回は、科学的に行動力を3倍に引きあげるコツを紹介します。

モチベーション科学の分野に「条件をつけた計画(If then planning)」という理論があります。コロンビア大学ビジネス・スクール モチベーション・サイエンス・センター共同ディレクターのハイディ・グラント・ハルバーソン氏は『Harvard Business Review』(2015年2月号)の「個人に頼らず組織の目標を達成する法」という記事でその理論について述べています。

「条件をつけた計画」とは何か。

簡単にいうと、「いつやるのか?」「いつまでにやるのか?」という行動するタイミングを明確に決めた計画のことで、それによって脳に行動命令を出すことができ、「忘れていた」などの言い訳を排除しやすいというのです。

例えば、あなたが週次レポートの提出を上司から次のように命令されたとします。部下の立場なら、(1)と(2)のどちらのほうが実践しやすいでしょうか?

(1)毎週、きちんと週次レポートを提出するように!
(2)金曜日の午後4時までに、週次レポートを提出するように!

きっと(2)のほうが行動しやすいのではないでしょうか。それは、「金曜日」「午後4時」という行動条件が付け加えられているからです。行動条件は、脳にある種の緊張感をもたらします。その結果、他の仕事で忙殺されていても、「金曜日の午後4時」という大事な瞬間に気づいて、実行するタイミングを捉えて動くことができるのです。

こうした「条件をつけた計画」によってどんな効果が期待できるのか? 同氏は、次のように語っています。

「条件をつけた計画を作成することで、目標を達成する可能性が約300%高まることが、200件を超える研究結果から明らかになっている」

私たちは実践するタイミングやきっかけをセットしなければ、せっかく「やろう」と心の中で思っていたことも、やりません。だから、「○時に」「朝礼後に」「上司に報告する時に」「会議の説明時に」「メールをする際に」などと行動するタイミングを決める習慣を持つ。それにより仕事のパフォーマンスも飛躍的にアップするのです。