865人中、8割の目標・計画が「ダメ」な理由

if then planning(いつやるのか、いつまでにやるのか)を決める習慣がついたら、さらに実践力をパワーアップさせましょう。「何をどうする」という次元に落とすのです。私はこれを超行動化と呼んでいます。

習慣化コンサルタントとして企業研修を行ったあとには、参加者の皆さんに「今後の行動プラン」を提出いただいています。ある時、865人分のプランの添削をしてわかったのは、その8割が「曖昧な行動」になっていたことでした。志は高いのですが、残念ながらプランの内容は漠然としていたのです。それでは前に進めません。

8割を占めた「曖昧な行動」の典型例はこのようなものです。
・PDCAをキチンと回す
・部下とのコミュニケーションを増やす

厳しい言い方になりますが、これらは気づきのようなものであって、アクションのプランになっていません。アクションは、脳が具体的な行動命令として受け取れるものでなくてはいけません。

もちろん「PDCAが重要だと思った」という気づきはとても重要です。しかし、脳が命令を受けていない状態(ぼんやりした目標)で仕事の現場に戻ると、結局、「やろうと思っていたけど忘れていた」「忙しくて、やる余裕がなかった」となるのが関の山です。

人間は変化を嫌う動物であり、基本的に本能レベルでは変化に抵抗します。だから、「いつも通り」が一番心地よいのです。だかこそ、新しい目標に向かって何かをしようとする際、脳が言い訳をできないレベルに行動を具体化することが必要なのです。

先ほどの典型例では「PDCAをキチンと回す」というものがありました。PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(振り返り)、ACT(改善)のこと。ここで注意しなければいけないのは、Planの具体性です。計画に沿って、どのように行動するかを決めなければ、実践できません。そこで、次のようにします。

「出社後、PCを開く前に15分、ポストイットにやることを書き出し、1日の作業の優先順位を並べてから仕事を始める」

このレベルになれば、より明確になり行動イメージが湧いてくるでしょう。