【三浦】今の政界において、次の総理が目指すべき旗印というか、メッセージは何になるんでしょうか?
【石破】私はサステナビリティ、持続可能性と、独立性だと思います。この国が50年先、100年先にも豊かで平和で存在しているために何をしますか、ってことです。
【三浦】つまり持続可能な安全保障政策なり、経済政策を考えることだと受け止めていいですか。
【石破】はい。
【三浦】現実問題として、石破派は20人の弱小派閥です。安倍首相率いる最大派閥の清和会に対してどのように対抗していきますか?
【石破】最大派閥に対抗というよりも、自民党としてどれだけ外に発信できるかということだと思います。石破派にいるというのは、出世という意味では決して賢い選択とはいえないかもしれません。でも「ポストが欲しいんだったら石破派なんかにいねえよ」と言ってくれる仲間は本当にありがたいと思います。一緒にやれる人たちは他の派にもいるでしょうが、まずウチのグループはきちんとした政策が語れる、それも国民にわかる言葉で語れる、そしてなお選挙に強い、そういう集団にしていくことが大事だと思います。国会議員になる前に渡辺美智雄先生(元副総理)から言われたことがあるんです。「いい加減なやつが100人いても世の中は変わらん。確信犯が20人いれば世の中は変わる」って。この言葉にかなり影響されていますね。
【三浦】安倍政権における菅(義偉)官房長官のように汚れ仕事を引き受ける存在も必要ですよね。ときには石破派ではない人たちも抱き込まなければならない。
【石破】場合によってはお願いしなきゃいかんでしょうね。私には「わかってくれなきゃいいや」みたいなところがありましてね。
【三浦】困りますね(笑)。
【石破】選挙のときはお願いしているんですけどね。まあ、そこが一番いかんところなんでしょうな。
【三浦】ときにノーロジックで義侠心に訴えてもいいのかも。
【石破】そうですね。きれいごとだけで世の中が回るはずがない。菅長官のすごさというのは一緒に仕事をしてみてよくわかります。