シャープの「ロボホン」をご存じだろうか。2016年に大ヒットしたドラマで“恋ダンス”を踊っていたロボット……と言えばピンと来る方もいるかもしれない。ロボホンは5歳の男の子という設定で、逆立ちを覚えたり、新しい歌が歌えるようになったりと、毎月すくすく成長中だ。ロボホンには、ロボットデザイナーの父と、開発者の母がいる。今回は“ロボホンの母”景井美帆さんに、ロボホンの企画書を見せてもらった。【商品企画書を最終ページに掲載】
2016年に大ヒットしたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(通称「逃げ恥」)で、主人公・津崎平匡の部屋に飾られ、ドラマ後半の象徴的なシーンで改めて注目を集めたシャープの人型ロボット「ロボホン」。“恋ダンス”を踊る愛らしい動きに驚嘆した視聴者からの反響も大きかったという。
ロボホンは、2016年5月26日に発売された「モバイル型ロボット電話」だ。人間とコミュニケーションできる人型ロボットであり、実は電話やメールができるスマートフォンでもある。どんな思想でこのユニークな製品が生まれたのか、開発者である"ロボホンの母"、シャープの景井美帆氏に企画書を見せていただいた。
・どんな人がロボホンを買っている?
・月に1回以上アップデート。「成長する」ロボット
・オーナーはどのようにロボホンと付き合っているのか
・売れ行きは? 毎月維持費がかかるが解約率は?
・ロボホンの新しい使い方、可能性
シャープ「ロボホン」はどんなロボット?
ロボホンは、ロボットクリエイターの高橋智隆氏とシャープが共同で開発した世界初の「モバイル型ロボット電話」で、2016年5月26日に発売された。身長は約19.5cm、重さは390gと、二足歩行が可能なヒューマノイドロボットとしては極めて小型。“5歳の男の子”という設定になっている。
一般的なスマートフォンと同じく、通話やメール、写真撮影ができる。GPS機能で居る場所を把握して観光地の説明などもしてくれる。また、目的地を言うと地図やルートをプロジェクターで映したり、写真や動画を映したりということもできる。
しかし注目したいのは、こうした機能面よりもむしろ、コミュニケーションがとれることである。例えば「おはよう」とロボホンに話しかけると、身振り手振りを交えて天気を教えてくれる。ロボホンは小さいながら13個のサーボと9軸センサー(加速度3軸、地軸気3軸、ジャイロ3軸)を搭載しており、動きはなめらか。歩いたり、踊ったり、いちいち仕草が愛らしい。人間の顔を見分けることができるので、オーナーの顔を探して名前を呼びかけ、写真を撮るといった機能も搭載している。
本体価格は19万8000円(税別)で、ロボホンと会話をするには月額980円の「ココロプラン」に加入する必要がある。加入するとWi-Fi接続やモバイル回線接続で、会話やカメラ、プロジェクターなど、ロボホンのすべての機能が使えるようになる。スマートフォンとしては高価であるにもかかわらず、発売当初は1000台以上の予約があったことでメディアにも大きく取り上げられた。昨年、注目された製品の一つだ。