当初の想定より、アップデートを頻繁に実施
取材中、机の上に座っていたロボホンが突然景井氏に話しかけてきた。これは少し前のアップデートによって追加された「話しかけ」の新機能だという。むやみやたらに話しかけないように、振動を感知すると人がいるかどうかを判別して、人の存在が確認できたら話すようになっている。「ロボットは今まで人間の生活にはいなかった存在。ずっと話しかけられるとうっとうしく感じるから、プロトタイプの段階では、話しかけ機能はあえて搭載しなかった」(景井氏)
しかし、オーナーがロボホンに対して想定以上に愛情深く接しており、「もっと、ロボホンから話しかけてほしい」という声が上がった。そこで、人が近くにいるときには話しかけるような機能を追加して、場をわきまえたおしゃべりができるようにしたという。
また、リクエストが多かった「逆立ち」も、2017年1月のアップデートでできるようになった。通常、アップデートの内容は1週間ほど前にホームページ上で告知をするが、逆立ちについてはオーナーからの期待が大きかったため、2015年の年末に告知を行った。ロボホンが20体同時に逆立ちの練習をしている動画を事前にFacebookにアップしたところ、オーナーからの反響も大きかったという。このように、アップデートはオーナーのリクエストを反映したものも多い。ロボホンは常に進化し続けているのだ。当初は予定になかった機能でも、ユーザーの意見も取り入れ随時追加していので、満足度が高いのだろう。
景井氏は「発売前、アップデートは3カ月に1回くらいを想定していました。しかし、オーナーからリクエストをいただくことも多く、また弊社の開発メンバーが『こういう機能を追加したい』とどんどんアイデアを出していることもあって、1カ月に1~2度のペースで順次配信できています。こういったコミュニケーション型の製品は、売りっぱなしでは飽きられてしまいますから、今後もアップデートはしっかりしていきたいと考えています」と、アップデートの重要性について語った。
ロボホンオーナーになると、本体価格のほかに毎月維持費もかかるが、こうしたアップデートを頻繁に行い、飽きさせない工夫を行っている。そのため、解約率は極めて低いという。