羽田の「高度化」で他拠点の負担減に
一方、クロノゲートでは現場の作業員の数を全体で約3割、ラインに限れば7割の少人化を達成。さらに仕分けの処置能力が他の拠点と比べ各段に高いため、地方のベースは、荷物を「関東地域への荷物」という大まかな区分で送り込めるようにもなった。結果的に全国各地の拠点の省力化にも効果があった。
「現在、仕分け作業のピークとなる20時以降には多くの外国人が勤務し、日中は女性も多い。少子高齢化の中、少人化や省力化により、ダイバーシティも進み、女性や複雑な作業をお願いできなかった外国人労働者の方々に様々なポジションで働いてもらえるようになりました」(クロノゲート責任者 早見友男氏)
上層階は付加価値機能エリアとして、家電製品の修理や医療機器の洗浄などを行うグループ会社が入居しており、15事業会社で1日に約3000人が働く。このように物流を「付加価値を生み出す手段」に進化させ、利益を生む源泉に変える構想を、同社では「バリュー・ネットワーキング構想」と呼んでいる。
「宅配便産業は労働集約型なので、成長する限り人を増やさなければならない。取り扱う荷物が増えても、人を増やせない時代にどんなシステムが必要か。クロノゲートはその一つの答えであるといえるでしょう」
(永井 浩、森本真哉=撮影(人物)AFLO=写真)