全農が1500人の集会を先日開催しました。あの会では、多くの農協グループが行政に働きかけていたのです。その会で、僕は、農協の女性団体である全国女性協のみなさんから、規制改革に反対する意見書を受け取りました。そのときに全国女性協の会長が、
「小泉さんはJAが嫌いですか」
とお尋ねになりました。僕は、
「好きか嫌いかの問題ではありません。農家のみなさんが幸せになるんだったらそれでいい。好き嫌いの発想はどうでもいい。農家のみなさんがJAのみなさんありがとうと思っていたらそれでいいし、そう思っていなかったらまずい。単純にそこだけです。団体のことを好き嫌いという判断は僕にはありません」
と答えました。そのあと、僕は自分の溢れる思いを会場のみなさんにぶつけさせてもらいました。その中で、日本農業新聞が主催した大会で農林部会長である僕が出席をしたとき、お台場のホテルを1000人以上で埋めて、中華のフルコースが振る舞われたこと。僕が挨拶したとき、「帰れ!」と野次られたことも話しました。
また、日本各地いろいろ行ったときに、小さな村や町の多くで、最大の建物が農協であった事実も指摘しました。
農家のみなさんがあの風景をどういう目で見ているのか。そういう現状で本当にいいのか。
日頃、僕が感じている思いを余すことなくぶつけさせてもらいました。同席していた日本農業新聞の記者には、「僕の話は全部載せてもらっていいから」と言いました。
その翌日の記事には、小さく「女性協が小泉議員に反対の要請行動を取った」とだけ、僕の顔の写っていない写真付きで載っていました……。
JAグループのみなさんの中には、信頼して話ができる方がいるのも事実。これから日本の農業・農家のみなさんのために働いてくれるであろうという人がいるのも事実。でも、JAが今までの意識のままで日本の農業の未来が明るいものになるかと言われたら、そんなことはないのも事実。だから僕は、好き嫌いで団体のことを見ることはしません。
(今回、自民党が了承した全農の改革案には)自己改革が着実に進んでいけるような文言が入っています。現実的に考えて、取り組みたくなくても取り組まざるをえないようなものになっていると自負しています。全部骨抜きになってしまいそうな形勢で最後に守りきったもの。小泉は負けて勝ったんだと、正しい評価をしてもらえるはずです。
(以上、11月25日農林部会散会後の囲みおよびメディアレクチャーの発言要旨。読みやすくするために、言葉を補った部分があり、その点については筆者および編集部の文責)
このレクチャーを聞いた記者は「農業の山は登りきった。農林部会長はおそらくこれでお役御免だろう。この次はいよいよ総理・総裁への険しい道のりがはじまる」と感じたという。進次郎の新しい挑戦がはじまる。
(文中敬称略)