賃金労働者に占める非正社員の割合は、25年前は2割程度だったが、現在は約4割(約2000万人)。倍増した背景にあるのは、企業の思惑。非正社員活用の理由1位は、「賃金の節約のため」だ。
政府は、非正社員と正社員の格差を是正する「ガイドライン案」を発表したが、企業はその指示に従い、非正社員に「余分なお金」を支払うだろうか。
2000万人の非正社員にボーナスが出る?
正社員と非正社員の賃金格差を是正する「同一労働同一賃金」の指針(ガイドライン)案が政府の働き方改革実現会議で示された。
これまでは正社員ではないから給与が低くても当たり前と考える人が多く、裁判でも格差を容認するなど、日本は「同一労働同一賃金」ではなかった。
今回の指針はヨーロッパの基準を参考にしたもので、基本給、ボーナス、各種手当などについて、正社員と主に有期契約社員、パートタイム社員の間でどのような格差が問題になるか、具体的な事例を挙げて書いている。
格差是正が実現すれば、今までよりも非正社員の待遇が大きく改善される可能性がある。
とくにボーナスは上がる可能性がある。これまでたとえば正社員に50万円のボーナスを支給しても、パート・アルバイトに支給しない、支給しても3万円程度の寸志しか支給していない企業も多かった。だが、会社の業績などへの貢献度に応じて支給している場合、指針ではこう言っている。
「無期雇用フルタイム労働者と同一の貢献である有期雇用労働者又はパートタイム労働者には、貢献に応じた部分につき、同一の支給をしなければならない。また、貢献に一定の違いがある場合においては、その相違に応じた支給をしなければならない」
つまり、正社員と同じ貢献をしていれば同額を支給しなさい、貢献度が違うのであれば、それに見合った金額を支給しなさいと言っているのだ。