昨年12月19日、バクスタージャパン社(以下、バクスター)は、骨髄移植に用いるフィルター(商品名:ボーンマロウコレクションキット)が欠品になる可能性をホームページで公開し、営業担当者を通じて全国の医師に通知した。翌日にはこれを読売新聞が報じ、あわてた厚生労働省に呼び出された同社は30日、国内在庫が493個であることを公開。骨髄移植は国内で毎月百数十例が行われており、早ければ2009年3月までに在庫がなくなることが明らかとなった。

写真提供=バクスタージャパン
写真提供=バクスタージャパン

骨髄移植は進行した血液がん患者に残された唯一の根治療法だ。患者・家族に強い衝撃が走っただけでなく、厚労省が情報を開示しなかったために、救える命をみすみす失った恐れもあるのだ。