対面での試飲販売がやりがいを生む
――人材は採用して終わりではなく、育てていかなければなりません。農業生産法人の場合、一般企業に比べて社内制度の充実もこれからだったり、育てるのが難しかったりして、2、3年で辞めてしまうケースも多いと聞きます。早和果樹園では、社員を定着させるために取り組んでいることはありますか。
【秋竹】ありがたいことに、うちに入社してくれた人たちは、意外と辞めずに続けてくれています。定着率は高いと思います。
――人材を定着させる秘訣は何でしょうか。
【秋竹】仕事にやりがいを感じてくれていることが一番大きいのではないかと思っています。例えば、観光地の土産物店などで土日に行う試飲販売に、社員が交代で行きます。自分たちがつくったみかんを加工して、自社ブランドで販売するのですが、それを試飲したお客さまが「おいしい、おいしい」と言ってくれる。自分たちの商品がお客さまに評価されるのを目の当たりにすることが、仕事のやりがいにつながっているのではないでしょうか。
――なるほど、生産から販売まで全部携われるのはおもしろいでしょうね。そんな会社は珍しいでしょうし。
【秋竹】もう一つは、うちには年配の従業員もいて、年の離れた若い人たちを大事にしてくれています。会社に家庭的な雰囲気があると思います。それと私が一番うれしいのは、試飲販売で訪れる取引先の会社の社長さんが、うちの社員のことを褒めてくれるんです。「早和さんの社員は一生懸命にやっている」って。それを私が社内の朝礼でみんなに言うんです。人は褒められればうれしいですから、お客さまや取引先に評価してもらったり、褒めてもらったりすると、仕事に張り合いがでる。そういうことも定着率を高めている要因の一つかなと思います。
有限責任監査法人トーマツ
有限責任監査法人トーマツは、日本におけるデロイト トウシュ トーマツ リミテッドのメンバーファームの一員である。監査、マネジメントコンサルティング、株式公開支援等を提供する、日本で最大級の会計事務所のひとつ。
有限責任監査法人トーマツは、日本におけるデロイト トウシュ トーマツ リミテッドのメンバーファームの一員である。監査、マネジメントコンサルティング、株式公開支援等を提供する、日本で最大級の会計事務所のひとつ。
農林水産業ビジネス推進室
農林水産業ビジネス推進室はトーマツ内の農業ビジネス専門家に加え、農業生産法人などの農業者、小売、外食、食品メーカー、金融機関、公官庁、大学他専門機関など外部組織と連携し、日本農業の強化・成長を実現するための新しい事業モデルの構築を推進している。詳細はWebサイト(https://www2.deloitte.com/jp/aff)参照。
農林水産業ビジネス推進室はトーマツ内の農業ビジネス専門家に加え、農業生産法人などの農業者、小売、外食、食品メーカー、金融機関、公官庁、大学他専門機関など外部組織と連携し、日本農業の強化・成長を実現するための新しい事業モデルの構築を推進している。詳細はWebサイト(https://www2.deloitte.com/jp/aff)参照。
(大和田悠一(有限責任監査法人トーマツ)=聞き手 前田はるみ=文・構成 尾崎三朗=撮影)