職場で必要な声がけのバランス配分とは
まずは50代の頃のデータにさかのぼってみると、医療データをもとに「コレステロール値が」などと言われそうだが、そこは関係ない。むしろ、50代の人間関係の満足度が高かった人が、80代の幸福度を予測するために役立ったとされた。
さらに人間関係は、身体の健康だけでなく脳をも守ってくれるという結果も出ている。しっかりとした人間関係があり、何かあった時に「本当に頼れる人がいる」と感じている人の記憶は、年をとってもはっきりしたままであることが多かった。75年間に渡る研究結果として、定年退職後に一番幸福な人は、仕事仲間に代わる新しい仲間を自ら進んでつくった人達。そして、もっとも幸せに過ごして来た人は「人間関係を大切にした人々だった」そうだ。
では、職場でこうした人間関係をつくるためには、どのようにしていったらいいのだろうか。
ワシントン大学のジョン・ゴットマン博士らは、主に夫婦や友人の人間関係に重点を置いて人間関係の特徴を研究し、ポジティブな言葉とネガティブな言葉のバランス比率を提唱した。たとえば親と子どもなら信頼関係が強いためにポジティブ3:ネガティブ1くらいの言葉がけが効果的。それが他人同士の上司と部下なら、褒めと注意は4:1くらいがちょうどいいという。相手に認められた上で受ける忠告なら、ある程度素直に受け入れられそうだ。
人間同士が何かをすれば、対立が生まれることもある。けれども、対立そのものが人間関係の問題ではなく、その対立をどう処理するかが大きな問題となってくる。相手を認めることで人間関係は潤滑になるものだ。
業績が上位の人の9割は人間関係に巧みであり、人間関係を壊しがちな人には、次のような4つの特徴がみられるという。