近視用メガネ+αの価格で作れる
手元が見えにくくなったときのためのメガネとしては、手元専用の「リーディンググラス」と、近視用の「累進レンズ」の2種類があります。
手元専用の「リーディンググラス」は、これまで視力がよく、手元だけ見づらくなった人に向いています。+1.0、+1.5、+2.0など度数別のレンズが入っているので、自分の目に合うものを買えばすぐに使えます。価格は、Zoffは3900円、JINSは4900円程度(税別、以下すべて)。
一方、すでに目が悪く、遠くから手元まで1本で済ませたい人向きなのが累進レンズのメガネです。累進レンズの場合は、通常のメガネフレームが使えるので、標準レンズ付きの価格にオプションレンズ代を追加すると作れる仕組みです。たとえば9000円のフレームに気に入ったものがあれば、レンズ代5000円をプラスして合計1万4000円というようになります。また、和真では標準のレンズ付きセットの価格で累進レンズも選べるようになっています。
度が進むものなので、積極的にアフターケアを活用
視力低下が進んでいる場合、せっかく作ってもすぐに調整が必要になることもあります。壊れたわけでもないのに作り直しを頼みに行くのは気が引けるかもしれませんが、メガネは体の一部のようなもの。もともと不調を改善したくて作ったのですから、我慢する必要はありません。メガネ店でも、こまめな調整を推奨しています。
「お店では『これでいい』と思って作っても、実生活に戻ったとき、実際の用途に合わないことはありえます。そんなときはアフターケアをフル活用して、気兼ねなく作り直してください。1度作ったメガネは6カ月間の保証がついています(15歳以下は1年間)。その間、同じレンズであれば何回でも度数の変更ができます。もし保証期間を過ぎてしまった場合も、フレームが同じならレンズの交換だけで済みます。片側だけでも1500円からなので、負担は少ないのではないでしょうか。また、新たな度数でフレームから作り直す場合は5000円から承ることができます」(Zoff 宇田川氏)
「老眼は発症してから症状がどんどん進行し、70歳くらいでやっと落ち着きます。従って、老眼鏡は1度作ればよいのでなく、症状の進行にあわせて作り直すことも重要です。そのためにも、信頼できるメガネ店を見つけてください。老眼に抗って無理をしたり、出来合いの老眼鏡や一度作った老眼鏡で間に合わせたりすると、目に負担をかけ、症状をさらに悪化させたり、眼精疲労などの原因にもなります」(メガネスーパー 中村氏)
近視用のメガネはオーダーから30分程度で持ち帰れますが、累進レンズの場合は完全にオーダーメイドになるため、オーダーから受け取りまでに1週間~10日ほどかかるそう。ただ、作り直しの場合は、先にレンズだけ注文しておけば、レンズが届いてからショップに行けば30分ほどで交換できます。その間メガネごと預ける必要はないので、日常生活に不便はありません。
すでに利用中のメガネの調子が悪い方は、無料または低価格でレンズを交換できるかもしれません。利用中のアイウェアブランドのアフターケアの仕組みを一度確認してみましょう。
「限られた時間で、視力測定してすぐ決断を迫られてもなかなか難しい場合もあると思います。作り直しや度が合っていない、何となくしっくりこないという場合も、気軽にご相談いただければ」(Zoff 宇田川氏)