累進レンズを作るとき、知っておきたいこと

日々の仕事を快適に行うには、やはり自分の視力や使用環境に合ったメガネがベストです。累進レンズには「遠近両用」(遠方から手元まで1本のメガネで見られる)と、「中近両用」(室内2メートルほど先から手元までを1本で見られる)があります。遠近と中近のどちらを選ぶべきかは、普段の生活パターンによって決まります。外出が多いなら遠近両用が、パソコン作業を長時間する人や、室内にいることが多い人は、遠くを見る必要が少ないので中近両用がおすすめ。中近両用レンズでも、メガネの上のほうなら遠くも見えるようになっているので、一瞬上目遣いで遠くの時計を見る、といったこともできます。

累進レンズは図のようにレンズの位置によってよく見える距離が変わるため、1本のレンズで手元から遠くで見えるのですが、独特のゆがみがあり、少々慣れが必要なのも事実です。

遠近両用レンズと中近両用レンズの見え方の違い(イメージ)。レンズの上に遠くが見やすい度数、下に近くが見やすい度数が設計されており、上から下に向かって累進的に度数が変化している。

「JINSでは、遠近両用や中近両用メガネを、実際に店舗でお試しいただけるサービスを行っています。累進レンズは上下に異なる度数が入っているので、上下の度数差が少ないうちに掛けはじめていただくのがお勧めです」(JINS広報 岡田真里奈さん)

「どういった用途で使われるかというのを、細かいことまで教えていただけると最適なものをおすすめしやすくなります。特に主に見るものの距離ですね。パソコンならデスクなのかノートなのかなどもお伝えいただくと助かります。あとは運転をよくするかどうかなども大事な情報です」(Zoff広報 田中さん)


遠近両用メガネで近くを見るとき、メガネをちょっと手で持ち上げると手元の小さな文字が読みやすくなる。和真の「全視界メガネ」はパッドに工夫があり、メガネを掛けたままでフレームを6ミリ上下でき、その位置で固定ができる。中間~近くが見やすくなるメリットがある。

それぞれの特性を知った上で、外出用、自動車の運転用、デスクワーク用など、メガネを複数用意してTPOによって掛けかえる人もいるそうです。

よくある失敗は、言われるがままに作り、強すぎるメガネで眼精疲労を起こしてしまうパターン。アフターケアを使えばレンズは何度でも交換できますが、できることなら足を運ぶ回数は減らしたいもの。「見える」だけでなく、「疲れないメガネ」になるよう、どういう使い方をしたいのかをしっかり伝えることが大切です。

すでにメガネを利用していて、ニーズを伝えることにも慣れている場合は、直接アイウェアブランドで累進レンズのメガネを新調してもいいでしょう。一方、メガネそのものが初めてで心配な人は、眼科で処方箋をもらってからメガネ店に行くと安心です。