慶應義塾大学教授 坪田一男氏●慶應義塾大学医学部眼科教授。南青山アイクリニック手術顧問。1955年、東京都生まれ。慶應義塾大学医学部卒。著書に『老眼革命』『視力再生の科学』他。

目の病気には様々なものがあるが、その多くが加齢にともなって起きる。目の病気を成人の失明の原因順にあげると、第1が緑内障、第2が糖尿病性網膜症、第3が網膜色素変成、第4が黄斑変性症である。いずれもが年を重ねることで進行・悪化する病気である。

緑内障や糖尿病性網膜症、黄斑変性症などの初期は自覚症状がないことが多く、眼科で検診を受けないと気づかないうちに進行してしまう。緑内障は視神経の異常(視神経細胞の死)によって視野が欠けてくる病気だ。死んでしまった視神経をもとに戻す治療法はまだないが、早期発見できれば、進行を防ぐ治療で視力を保つ。網膜の障害は、視力に最も重要な網膜の中心分に変性や異常が起きると視力に大きく影響する。40歳を超えて目の検診を受けていないのならば、すぐにでも視力、眼圧、視野、眼底の検査をすべきだ。