昭和大学医学部教授 稲垣克記氏●昭和大学医学部整形外科学講座教授。1958年、東京都生まれ。昭和大学医学部大学院修了。97年米国メイヨークリニック。2009年より現職。
日本人の身体の悩みランキングで上位を占めるのは「腰痛」である。とくに年を重ねるとともにその割合は高くなる。腰痛は、様々な原因で生じるが、原因がわかるものは少なく、原因が特定できないいわゆる「慢性の腰痛症」のほうが多く、80%を超える。
ところで背骨と呼ばれる脊椎(せきつい)は、首から腰にかけてある7つの頸椎(けいつい)、12個の胸椎、5つの腰椎と、骨盤にある仙骨と尾骨のことで、骨と骨の間にある椎間板が、クッションの役割を果たす。そして、脊椎の中には脊髄や神経が通る脊柱管というトンネルがある。
腰痛で整形外科を訪れる患者の2大疾患は椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄(きょうさく)症だ。椎間板ヘルニアは20~40代の比較的若くて働き盛りの人がなりやすい。椎間板ヘルニアは馬尾(ばび)と呼ばれる脊髄の終わりのほうの神経が、前方から椎間板の中から飛び出してきた軟骨様の髄核によって圧迫されている状態である。おしりや太腿(ふともも)、下腿(かたい)<ひざから足首の部分>、あしに痛みやしびれが出る。痛みが強いときは安静にし、コルセットをつけて炎症や痛みを抑える薬を使う。また、神経を圧迫している髄核は中央に出っ張るものであれば自然に小さくなることがわかってきたので、薬などで痛みをやわらげながら様子をみる。それでも回復せず日常生活の妨げになる、外側に脱出し神経の逃げ道がなくなるもの、排尿に問題があるものには手術が必要になる。
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