大事なのは部下が伸び伸びと働き成果を出すこと

講演後の懇親会。参加者から質問が殺到し、食事も口にせず答え続ける和田会長。

私が講演するとよく聞かれることがあります。それは「リーダーとして大切なことは何か」という問いです。とくに中堅管理職は上と下に挟まれて、一番苦しんでいます。そういう人には「下を向いて仕事をしてください」とアドバイスします。リーダーとして大事なのは、部下が伸び伸びと働いて成果を出すことです。

それと同時に提案するのが「脇はゆるくしておく」こと。リーダーが脇を締めすぎていると、部下は困ったときに飛び込んでこられません。ふだんはゆるめておいて、必要なときだけ締める。これが重要です。

若い人に対しては、ときには失敗も許容する姿勢をとってほしいと思います。そうしないと失敗を恐れ、挑戦しようという気持ちがしぼんでしまいます。

私は営業所長の時代、賃貸住宅の「シャーメゾン」の原型をつくりました。市場には木造賃貸しかなかったときに鉄骨製の賃貸住宅を開発したら売れるのではないかと思い、技術陣と一緒につくり、結果、売り上げ好調でした。しかし開発したときは、上から「勝手なことをして」とひどく怒られました。もし計画段階でつぶされていたら、大いにやる気を失っていたでしょう。

組織が大きくなると、とかく体裁ばかりを気にし、下を縛るようなことしか言わなくなる管理職が増えます。そんなことをしたら誰も挑戦しません。部下には常に好奇心をもたせ、どんどん挑戦する気持ちを促す。それが会社を成長させるコツではないでしょうか。

和田 勇(わだ・いさみ)
1941年和歌山県橋本市生まれ。関西学院大学卒業後、積水ハウスに入社。入社3年目で全国1位の販売成績を上げ、28歳で名古屋東営業所長に就任。のちの「シャーメゾン」の原形となる2階建て鉄骨賃貸アパートや、クレーム対応専門窓口の設置など、独創的なアイデアを次々に実行。90年に取締役、94年常務取締役、98年社長に就任。2008年より現職。
(構成=Top communication 撮影=向井 渉)
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