寝るべき時間帯と寝室の環境整備

また、同じ4時間半睡眠であっても、どの時間帯に寝るかによって結果は変わる。ホルモンの分泌や体温の変化は、人の意思とは無関係に起こるが、そういったさまざまな要素を勘案すると、午前0時から6時の間に寝ていることが理想的だ。4時間半睡眠の際も、この6時間に収まるように寝るのがいい。そして、決まった時間に寝て、決まった時間に起床することで、ホルモンの分泌や体温の変化が調整され、より眠りやすく、起きやすい体になる。

寝室の環境も重要だ。私の場合は、完全に遮光して無音状態で寝る。ただし、窓を開けて風を通すために、カーテンではなく、ブラインドを使用している。湿気を吸わせるために床は無垢板で、壁は漆喰だ。これなら扇風機を使えば、夏は十分快適に過ごすことができる。

朝、なかなか起きることができないという人は、まずは遮光カーテンを導入して、朝起きたらすぐにカーテンを開けるという生活を試すのがいいだろう。朝日を浴びると眠気に関係するメラトニンというホルモンの分泌が止まって目が覚める。メラトニンは体内時計の働きにより、起床から16時間ほどで濃度が高まるようになっているので、寝付きもよくなる。

夜に十分寝ていても昼間は眠気が出てくるものだ。そんなときはご飯を食べて眠くなったタイミングで、1、2分でもかまわないから寝てしまおう。いったん深い睡眠に入ってしまうと、なかなか起きられなくなってしまうのだが、15分程度であれば深い睡眠に入る前に目を覚ますことができる。だからタクシーや電車での移動中は寝ると決めて寝てしまってもいい。

私のオススメの昼寝方法は、温かいコーヒーを飲んでから眠るというものだ。人間は、高い体温が急激に下がるときに眠くなる。温かいコーヒーを飲めば、体温を下げようとする反応が起こるので眠るのにうってつけだ。しかも、コーヒーを飲んでから、カフェインが効き出すには15分かかる。カフェインが効き出す頃に起きれば、睡眠とカフェインの相乗効果で、仕事の効率もぐっと上がる。

(唐仁原俊博=構成 村上庄吾=撮影)
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