――本業に加え、新たな事業の柱を育てるということか。

【井上】ゼネコンとしての総合力を生かすという視点からすれば2つの方法がある。第一が投資開発事業を強化すること。横浜の大型オフィスビルもそうだが、技術力、営業力に加え、情報収集力も駆使しながら優良案件を創出する。その際、賃貸と売却のバランスをうまく取って収益性も高める。

第二は、BSP事業。すなわち施設運営管理サービス分野に、より積極的に取り組む。日本はまだ、新築ビルが7、8割を占めるが、そう遠くない将来、リフォーム・リニューアルの割合が半分になるだろう。この分野を扱うグループ企業の競争力を強化し、きちっと対応できるようにしたい。そのためには人材の育成と採用にも力を入れていく。

清水建設社長 井上和幸
1956年生まれ。81年早稲田大学大学院理工学研究科修了後、同社入社。技術畑を約20年歩んだ後、営業職に転身。2014年名古屋支店長、15年取締役専務執行役員を経て、16年4月に社長就任。

出身高校:早稲田大学高等学院
長く在籍した部門:横浜支店
座右の書(または最近読んだ本):『坂の上の雲』
座右の銘:誠心誠意
趣味:映画鑑賞

(岡村繁雄=構成 尾関裕士=撮影)
【関連記事】
LIXILグループ新社長 瀬戸欣哉「現場の意見吸収」
ゼネコンが悲鳴! 若者離れ、人手不足に悩む建設業界の将来性
農業以外の利用も増加、ドローン市場が拡大へ
「目指すは業界トップの高利益体質」鹿島新社長 押味至一
復興需要、五輪景気が支える建設・不動産