日本アイスクリーム協会の調査によると、2015年度の国内アイスクリーム市場は前年度比6.4%増の4647億円。4年連続で拡大している。アイスクリームには乳成分の量によってアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、氷菓の4つのセグメントがあり、15年度は氷菓以外の3つが売り上げを伸ばした。
森永乳業では15年度、MOW(モウ)の販売が前年から大きく伸びた。MOWのセグメントはアイスクリームだ。15年4月にフレーバーや味、製法、ブランドロゴなどの大幅なリニューアルを実施し、「手軽なのに世の中のプレミアムアイスに負けない味わいのバニラアイスという意味を込めて『Next Premium』というコンセプトを掲げました」(同社冷菓事業部冷菓マーケティンググループグループ長の林正義氏)という。同社はこうした取り組みが消費者のニーズにマッチしたと見ている。
15年度のアイスクリームのセグメントは売り上げが増えた一方で、販売量が減っている。つまり、高価格の商品が売り上げを伸ばしている、ということになる。これはMOWの好調とは異なる傾向に思えるが、林氏は「高価格帯商品についても消費者の方に価値が正しく伝われば、厭われない傾向にあると考えています」と説明する。
(大橋昭一=図版作成)