総ページの10%が読まれると、Kindle本と同じだけの売り上げ?

さて、Kindle Unlimitedによって出版社はどの程度の増収が見込めるのだろうか。Amazonと各出版社の契約は相対なので、両者の力関係により条件が一定ではない。ある大手の版元担当者は、「全ページ数の10%が読まれたら、『1コンテンツが読まれた』とカウントされ、購読数ベースで通常の電子書籍が売れたのと同じようにロイヤリティーが支払われる契約」と明かす。そして1コンテンツあたりの分配率は定価の「5掛け」だという。

なるほど、ページの10%が読まれた(=表示された)時点で従来のKindle本と同じだけの売り上げが見込めるということなら、出版社からすると美味しい話に思える。ただし、同担当者は「この契約は今年12月までの『期間限定特別条件』なので、それ以後は締め付けがはかられる可能性がある」(同担当者)と心配する。

Amazonからすると、サービス開始時に出版社に有利な条件を提示し、優良コンテンツを集めるという戦略であろう。おまけに、この原稿を執筆している時点では、従来のKindle本とKindle Unlimitedのランキングが同列に扱われており、上位をKindle Unlimited書籍が埋め尽くす状況にある。「Kindle Unlimitedに参加しないとランキングには入れませんよ」というAmazonから出版社に対する無言の圧力のようにも受け取れる措置だ。

ちなみに、今回担当者に話を聞いた出版社の場合は、「5掛け」の分配率で契約しているようだが、この掛け率は、前述のように出版社とAmazonの力関係により左右するものと思われる。つまり、優良コンテンツを多数抱えている出版社の場合は、もっと良い条件で契約している可能性もあるということだ。