CF計算書で企業の経営状況がハッキリわかる

売上高からは企業規模がわかり、営業利益率と純利益からは儲け具合を知ることができる。『図解!業界地図 2017年版』では、主要企業について、売上高、営業利益率、純利益、営業キャッシュフロー(CF)、投資CF、財務CFの金額を掲載している。

『図解! 業界地図2017年版』(ビジネスリサーチ・ジャパン著/プレジデント社刊)

では、営業CF、投資CF、財務CFからは何がわかるのか。たとえば、流通2強の営業CFを比較してみよう。

イオン 営業CF431億円(売上高8兆1767億円)
セブン&アイ・ホールディングス(HD) 営業CF4889億円(売上高6兆457億円)

営業CF、投資CF、財務CFは、CF計算書に示される。そのCF計算書は、企業活動を営業、投資、財務の3つにわけ、それぞれの部門ごとに企業が獲得したキャッシュと社外に出ていったキャッシュからプラスマイナスを算出。「△」は、出金が入金を上回る「出金超」を意味している。

3つのなかでも営業CFは、黒字(入金超)が大前提である。本業による入金から仕入代や人件費、税金などを支払っても、入金が出金を上回る状態だ。

さすがに、イオンもセブン&アイHDも黒字だが、金額は10倍以上の差である。売上高はイオンが上回るが、キャッシュを獲得する力はセブン&アイHDに軍配があがるというわけだ。ちなみに、アップル(米)の営業CFはおよそ9兆円、トヨタ自動車は4兆5000億円弱、ウォルマート・ストアーズ(米)は3兆円強である。