「高収入貧乏の谷」に転落する人しない人
僕は以前から、富裕層への道を歩む上でのリスクに「高収入貧乏の谷」がある、と述べてきました。これは、年収1200万~年収3000万円の家庭は、周囲の人の旺盛な消費意欲に影響されることで赤字家計となり、富裕層の域にまで達することがなかなかできないという内容でした(参考:http://president.jp/articles/-/15874)。彼らが属する準拠集団の中で、「収入が平均より下」の位置にあると仮定すればこれも矛盾なく説明がつきます。
ステイタストレッドミルの中で全力疾走すれば、体力が尽きて脱落した段階で「高収入貧乏の谷」に落ちるわけです。
以前に書いた「『みっともなく生きる』これが富裕層への近道だ」(http://president.jp/articles/-/16400)では、準拠集団と比較した経済状態が貯蓄額へ影響を与えるとのお話しをしました。
そして、「低収入の街が次の富裕層を育てている」(http://president.jp/articles/-/16924)で、
(1)自分より貧しい人に囲まれて生活すれば、どんどん豊かになる(お金が貯まる)。
(2)逆に、自分があこがれていたり、こうなりたいと思っていたりする上位集団に囲まれて生活し、そうした集団に無理してついていこうとすると、貯金はどんどん減る。
というジュリエット・B・ショア教授の調査のお話をしたかと思います。これらがすべてデューゼンベリーの相対所得仮説で矛盾なく説明がつくことになります。
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