積極的に議論されているギリシャの財政再建だが、いまだ有効な策は出ていない。EU全体に波紋が広がり、各機関がそれぞれの思惑を持って動きだす現在、基軸通貨ユーロの行く末を検証する。

元来、EUの中で最悪の水準だったギリシャの財政

政権が代わって、前政権が隠していたことが新政権によって露わにされることによって財政危機に直面している国がある。今、世界経済の中で最もその行方が注目されているギリシャの財政危機の発端は、昨年10月における政権交代によって、新しい政権(全ギリシャ社会主義運動のパパンドレウ政権)が前政権(新民主主義党のカラマンリス政権)による財政に関する統計処理の不備を指摘し、財政赤字の規模を上方に修正したことによる。このような統計処理の不備は、ギリシャの財政赤字の数字そのものの信頼性を損なうだけではなく、財政再建に対する信認をも失墜させることになった。