さらに積み立てをする人は自動的に「友の会」や「サークル」に自動加入となる例が多く、年数回の優待セール、レストランなどへの優待、カルチャースクールへの優待、オリジナルグッズのプレゼントなど、さまざまな特典が受けられる(会費などはかからない)。東武百貨店では1000円以上の買い物が常時5%引きになり、10万円の買い物をすれば5000円の割引。見逃せないお得度といえる。
とはいえ、本当にお得に利用できるかについては、慎重に考えたい。基本は贔屓にしているデパートがあり、年間数万円以上買い物をしている人でなければメリットは受けにくい。「そのくらいの金額なら洋服や靴、化粧品などを買うだろう」と思うかもしれないが、百貨店以外の店で買ったほうが安いなら、無理に百貨店を利用しても得にならない可能性がある。お気に入りのショップがある、上司や親せきなどに百貨店からお中元やお歳暮を贈っているといった人なら検討の価値がある。
言うまでもないが、商品券があるからといって買う必要のないものまで買ってしまっては本末転倒。積立額も、そのことを踏まえて検討しよう。年間でどの程度利用しているかを振り返り、適切な額で契約するといい。少し抑えめに積立額を決め「使うのはこの額だけ」と決めれば、支出のコントロールにも役立つ。
ちなみに、手にした買い物券やプリペイドカードを金券ショップやヤフオクなどに売る、という方法もなくはないが、買い取り価格は額面金額の5%前後の安い金額が相場となっている。採算はとれるが、手間を考えると判断が分かれそうである。
百貨店積み立ては金融商品ではなく、元本保証や預金保険のような保護制度はない。百貨店が倒産した場合には元本が戻らない可能性があることも知っておきたい。