夏のボーナスシーズン到来だ。大企業の夏季賞与妥結額は2012年以降右肩上がりで、今夏は4年前より10万円以上アップしたというデータ(※1)もある。

大企業ではボーナスが順調に増えた一方で、民間企業全体の年収は4年間で5万円程度しか上がっていない(※2)。つまり、ボーナスは増えていても給与は増えていない、企業によっては減っている、ということである。

ボーナスが出たからといって、楽観してお金を使うのは考えものだし、超積極的に投資する、という時期でもないだろう。ではどうすればいいだろうか。

家計に余裕がある、金融資産も豊富、という場合を除けば、「財務基盤の強化」や「堅実な貯蓄」といった「守りのボーナス活用」を考えたい。

財務基盤の強化というのは借金を減らすことだ。そのため、住宅ローンを抱えている人は、より低金利なものに借り換えるだけでなく、繰り上げ返済を検討したい。とくに40代以上は将来的にリストラの候補にされやすく、負債を減らしておくことは重要だ。

繰り上げ返済とは毎回の返済とは別に、先々の返済分を前倒しして返すこと。繰り上げ返済した分はすべて元金の返済に回るため、借金が減少。そこにかかるはずだった利息もカットされ、利息の軽減という大きな経済効果が得られる。投資などでリターンを得るのも、繰り上げ返済で利息を浮かせるのも、家計にとってプラスという意味では同じである。

繰り上げ返済には2つのタイプがある。ひとつは、繰り上げ返済した分、返済期間が短くなる「返済期間短縮型」(毎回の返済額は変わらない)。もうひとつは返済期間は変わらず、毎回の返済額が少なくなる「返済額軽減型」だ。